2023年4月7日金曜日

昨年6月以来の活動報告

昨年6月以来の活動報告

『レーテ』第2号を昨年6月に発行して以来、社会状況においても我々においてもたくさんのことがあり、予定よりも第3号の発行は遅れてしまった(4月半ば発行予定)。ここでも我々の活動のすべてを報告はできないのだが、おおまかに昨年6月以来の活動を記録しておく。

 

  田上孝一『99%のためのマルクス入門』(晶文社、2021年)オンライン読書会

マルクス研究者であり、また動物倫理も研究し、私たちも影響を受けたヴィーガンとしての実践もしている田上氏のマルクス入門書をその場で読み進めながら、ときにはかなり脱線しながらも議論している。昨年秋ごろにはじめ、20234月頭現在、10回を数えている。かなり平易な入門書のためだろうか、マルクスの引用にあたって該当文献の書物頁数が書かれていないのであるが、どの部分の引用なのか調べるのも興がある。不定期開催。

  キム・ミレ監督『狼をさがして』自主上映会in大阪(2022924日)

東アジア反日武装戦線のメンバーとその足跡を追った同作上映運動事務局がミニ自主上映会運動を呼びかけていたのに応えて、以前から反日武装戦線の問いに関心を抱いていた我々で上映と、併せて、獄中メンバーの救援に長年携わってきた平野良子さん(東アジア反日武装戦線への死刑・重刑攻撃とたたかう支援連絡会議)のお話を伺う企画を主催した。当日は、映像表現に即した発言(松田政男「風景論」的なものとの比較や、青森・ねぶた祭りのシーンなどに武装戦線メンバーの視点が非常に現れているのではないか等々)、いまだに獄中に囚われている人々がいること、救援運動の重要性の確認など参加者から積極的な発言・議論があった。また、平野さんからは反日武装戦線との出会いから救援運動のあり方まで貴重なお話を伺った。

   個別テーマのオンライン学習会(不定期)

メンバー各自の関心に基づいて、まとめたものの発表や、その他論文を読んでいる。現時点では、「都市再開発と野宿者排除」「東アジア反日武装戦線と「自己否定」の論理」などで学習会を行った。

   『資本論』研究会ー対面・オンライン併用(仮)

2023318日から21日にかけて大阪で『資本論』11章「商品」を熟読する合宿を行った。そして、それらをふまえて『資本論』に関するオンライン学習会を行い、参加者と話し合って継続的に『資本論』を読む会を開催することに決まった。4月開始予定。

   会誌『レーテ』発行、ブログ開設

今後も『レーテ』の発行は継続する。当初は具体的な発行頻度を書いていたが、今後は我々のペースではやくもなればおそくもなるでかまわないのではないかと考えている。そして、このブログへの投稿はもうすこし積極的にしていく予定である。

   アフィニティ・グループ¹としての活動

関西コミュニズム研究会は、それぞれが諸々の社会運動に関わっているものが多く、一定の領域で共同活動をしており、赤黒系アフィニティ・グループ的性格ももっている(なお、読書会のみの参加を排するものではない)。なんだかんだこのあたりで出費が多くなり、『レーテ』を受け取った時などにはカンパをいただけると幸いである。

活動形態は変わってきたし、少しずつ変わっていくだろうが、実践、研究会、発信、交流が軸である(外からみると、時期によってこの4領域のどれかに比重がかかっているようにみえるだろうか)。内容としては我々自身が常に議論していて、それでも確定などしていないのだが、書き出してみると漠然と、社会構造の周縁部からの視点というテーマが浮かび上がってくると思う。今後の力点では、交流の場面において、ヴィーガン志向の仲間が多くいることもあり、大量生産大量消費システムへの一般的違和感をいだくのみならず、そうしたシステムを生産・再生産している個々人のふるまいを問いなおす倫理的実践として、交流会では例えばメシをなるべく自分たちでつくったり、最低限の前提としてチェーン店を使わないなど意識的にしていきたいと考えている。また、研究会と実践や交流とも交差する領域としての小規模の自主映画上映会には、我々が主催と銘うってない場合もこれまでやってきたが、積極的継続的に取り組んでいくつもりである。それから名称に「関西」とついていて(「コミュニズム」も我々の間で論争含みなのだがさしあたりおいておく²)、実際関西に多くの活動領域とメンバーがいるのだが、関東など他地方にもメンバーがいることにも留意されたい。(U)


1.以下の記事が解説も含めて参考になる。「[翻訳]アフィニティ・グループ入門」

2.不可視委員会がコミューン主義について述べていることは参考になる。「コミューンを成立させるもの、それは、ひとつの都市ないし住民たちが交わす、共に在りつづけるという相互の宣誓にほかならない」「コミューンとはつまり、共に世界と対峙していこうと交わされる協定であり、自分たちの力を自分たちの自由の源とすることである。目指されているのはなんらかの実体ではなく、関係の質、世界内を生きる一流儀である。」(不可視委員会[訳=HAPAX]『われわれの友へ』、夜光社、2016年)。


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